Android 16 QPR2(Quarterly Platform Release 2) を2025年12月2日、Googleは 正式にリリースしました。
これはAndroid 16のマイナーアップデートとして位置付けられ、従来の年1回の大規模リリースから、半年ごとの メジャー/マイナー更新サイクル へ移行する新方針の一環です。
主にPixelシリーズ向けに提供され、ユーザー体験の向上、開発者の生産性改善、セキュリティ強化が中心となっています。
今回のブログでは、Android 16 QPR2 のリリース概要、対応デバイス、新機能、注意点などを詳しく解説します。Pixelユーザーはもちろん、Android開発者にも役立つ情報です。
https://developer.android.com/about/versions/16/qpr2?hl=ja
◆ リリース概要
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リリース日:2025年12月2日(段階的にロールアウト)
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SDKレベル:36.1(Android 16のマイナーアップデート)
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新Buildフィールド:SDK_INT_FULL、VERSION_CODES_FULL が追加され、開発者が新APIを簡単に判定可能
このアップデートは、2025年6月にリリースされたAndroid 16のメジャー版に続く、初のマイナーリリースです。これにより、アプリ開発やデバイス更新のスピードが加速し、非Pixel端末での更新遅延問題も緩和されることが期待されています。
◆ 開発者向け情報
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Android Studio Otter Canaryビルド 推奨
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AOSPにソースコード公開済み
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ベータ版から安定版への移行がスムーズ
開発者は新APIやシステム変更にすぐ対応できるため、アプリ開発の効率が向上します。
■ 対応デバイス
Android 16 QPR2 は主に Pixelシリーズ に配信されます。
対象デバイスは以下の通りです。
| シリーズ | モデル |
|---|---|
| Pixel 6 | 6, 6 Pro, 6a |
| Pixel 7 | 7, 7 Pro, 7a |
| Pixel 8 | 8, 8 Pro, 8a |
| Pixel 9 | 9, 9 Pro, 9 Pro XL, 9 Pro Fold, 9a |
| Pixel 10 | 10, 10 Pro, 10 Pro XL, 10 Pro Fold |
| その他 | Pixel Tablet, Pixel Fold |
非Pixelデバイスは、メーカーによって提供タイミングが異なる場合があります。
OTA(Over-The-Air)更新は 設定 > システム > システムアップデート で確認可能です。
主な新機能と改善点
QPR2はマイナーアップデートとされますが、ユーザー向け機能が豊富に追加されており、日常的な操作性や見た目も改善されています。
◆ カスタマイズ機能
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ホーム画面アイコンの形状変更
デフォルト円形に加え、四角形、クッキー型(四角/七角)、アーチ型を選択可能
(設定 > 壁紙とスタイル > ホーム画面 > アイコン) -
Themed iconsのシステムワイド適用
壁紙に合わせた色調をネイティブ非対応アプリにも反映 -
Pixel検索バーの新色追加
ライト・ダーク両モード対応で視覚的ポップさを向上
◆ ディスプレイとテーマ
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拡張ダークテーマ
標準モードに加え、非対応アプリも強制的に暗く表示 -
ロック画面ウィジェット
左スワイプで新しいフィードを表示
時計タップでハプティックフィードバック・太字表示対応
◆ 通知・生産性向上
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通知オーガナイザー
低優先通知(ニュース・プロモーション・ソーシャル)を自動グループ化しシェード下部にまとめる -
ウィジェットメトリクス改善
ウィジェットのサイズや配置をより柔軟に調整可能
◆ セキュリティ・アクセシビリティ
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SMS OTP保護強化
ワンタイムパスワードの自動読み取りでセキュリティ向上 -
指紋認証高速化
「クイックタップ」式の指紋解除が復活、Pixel端末で素早いアンロックが可能 -
2025年12月セキュリティパッチ
脆弱性修正とシステム安定性向上
◆ 開発者向け高度機能
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LinuxターミナルGUIサポート
ChromiumやGIMPなどのデスクトップアプリをAndroid上で直接実行可能 -
メディアAPI向上
ユーザー体験向上とアプリ開発生産性の改善
既知の問題と注意点
既知の問題と注意点
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一部ユーザーで Pixel 7 Pro の画面緑線問題 が報告されています
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QPR3ベータ参加者は、プログラム退出後に安定版QPR2に更新可能
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基本的にはバグ修正とパフォーマンス改善が中心で、安定性は高評価
■ まとめ
Android 16 QPR2は、マイナーアップデートながら ユーザー体験・生産性・セキュリティ の強化が中心で、Pixelユーザーにとって見逃せない内容です。
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ホーム画面カスタマイズや拡張ダークテーマで操作性向上
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通知管理やウィジェット配置改善で日常の利便性アップ
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セキュリティ・指紋認証・パッチで安全性確保
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Linux GUI対応やメディアAPI拡張で開発者の作業効率向上
段階的に配信されるため、早めの更新が推奨されます。
非Pixelデバイスはメーカー対応次第で遅れる場合がありますが、Android 16の進化を実感できるアップデートであることは間違いありません。



